妊娠率と出産率をみるポイント
厚生労働省平成26年人口動態統計によると、第1子出産の平均年齢は30.6歳
20代の出産は減少傾向ですが、35歳以上、また40歳以上の出産が増加傾向。
約20年前の95年をみると、40~44歳女性の出生数は、1万2472人。
約20年後の2014年は4万9606人と、ほぼ4倍。
妊娠率は年齢とともに低下し、流産率は上昇する。
35歳の妊娠率は36.1%、45歳では6.5%
流産率は35歳の21%、45歳は61.4%。
水色=総ET
「ET(胚移植)周期数のうち妊娠した割合」
赤色=総治療
「総治療周期数のうち妊娠した割合」
黄緑=生産率
「総治療周期数のうち出産した割合」
紫色=流産率
グラフを見ると妊娠率が高いのは、総ETを示した青色のグラフです。
赤色で示された「総治療(総治療周期数)」と比較すると、成功率で約10%ほどのひらきがあり
体外受精に期待があがるように見えてしまいますが、この中には途中で治療を中止した場合の数値は反映されていません。
体外受精の時は、排卵誘発剤で卵胞を育てなくてはいけません。
採卵まで卵が育たなかった時、採卵できたが受精まではいかなかったなどで治療を中止することはよくみられます。
受精卵を胚盤胞まで育ててから胚移植を行いたいのですが、ここまで育てるのが難関作業です。
治療を中止した場合の数値が反映されなければ、確率を出すときの「分母」は小さくなります。
当然ながら、成功率は総治療よりも高くなります。確率を出すときには、分母を何にするかで数値が大きく変わります。
また、不妊治療で忘れてはいけない要素は年齢です。紫のグラフは35歳以降は急激な上昇を示しています。
黄緑で示した、実際に出産した生産率をみると、40代は10%前後の数値になっているので、年齢が若いほうが出産しやすいことは知っておかなくていけません。
不妊鍼灸|鍼灸サロンRicca|東京
鍼灸院でも、「妊娠率」や「何%の人が妊娠しました。」といった広告を掲載しているところは多くあります。
この時も大切なのは、分母をみることです。
心拍を確認するまで、12週を経過するまで、出産するまで、
どこを分母にするかで、確率が大きくかわります。
このことを私達も理解して、患者様に有益な情報をお伝えできるように努力してきます。