不妊症の定義と妊娠率
不妊症 簡潔にいえば、「赤ちゃんを望んでも、できないこと」というとわかりやすいかもしれません。定義を読むと内容がわかります。公益社団法人 日本産科婦人科学会が説明されている定義は
不妊(症) infertility, (sterility)
「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。
その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない。」
もっとわかりやすく表現すると、
子供が欲しいと思ったとき、夫婦・パートナーとタイミングを合わせながら避妊せずに性交渉を試みて、一年たっても子供ができない。
なぜ一年か?
まず、「累積妊娠率」ということを知る必要があります。
不妊の原因のないカップル100組が避妊をしないで、タイミングを合わせて性交渉をしていけば、1年後にはそのうち90組が妊娠しているということです。
通常、基礎体温を測定し、タイミングが合えば、1回あたりの妊娠率は約25%とされています。
1回あたり25%の妊娠率の累積妊娠率を単純計算で算出すると、6周期で82.2%、12周期で96.8%になります。
1回の妊娠率も、年齢があがるにつれて低くなるといわれています。高齢出産とされる35歳になると、約20%前後ともいわれていますが、
それでも累積妊娠率だけみると8割ぐらいの夫婦は、1年で妊娠しているというこになるでしょうか。
ここまでの説明だけみれば、不妊症というのはめずらしいケースと感じる人もいると思います。
ですが、原因不明不妊(機能性不妊)と診断された場合、妊娠率は大きく低下するといわれています。
原因不明不妊と診断された場合には、1回あたりの妊娠率は。1.5~4%に低下すると言われています。
1回あたり4%と考え累積妊娠率を計算すると半年で21.7%、1年で38.7%となります。
妊娠率というのは、年齢や原因の有無、いろいろな要素が加わることで大きく変化します。
インターネットで情報を得ようとしたときに、妊娠率などの数値は定義やその意味をしっかりと見極める必要があることを忘れてはいけません。