顔面麻痺の改善と鍼灸治療
鍼灸治療は、様々な症状に使われますが、顔面神経麻痺で悩んでいる人も鍼灸院に訪れています。
よく顔面麻痺と呼ばれているのは、顔面神経麻痺のことです。
表情筋を動かしている顔面神経がマヒするため、脳からの指令が上手く伝達されずに表情をコントロールできなくなってしまう病気です。
顔面神経麻痺の中でも、もっとも発症率が多いのが、ベル麻痺で、突然顔半分が動かなくなります。
ベル麻痺は、顔面神経麻痺の7割を占めると言われています。
顔面神経管は、細い管で、骨でできています。
そのため、顔面神経が腫れると、顔面神経管に外側から圧迫されるため、神経がうっ血して腫れてしまいます。
ベル麻痺は、前触れもなく突然起こるのが特徴で、はっきりとした原因は解明されていないものの、ウイルスが原因ではないかと考えられています。
鍼灸治療は、顔面神経麻痺に対しても効果を発揮する治療方法のひとつです。
発症して急性期と言われる時期が過ぎると、鍼治療が効果的だと言われているのです。
そのため、鍼灸院に通って治療を続けている人も少なくありません。
東洋医学を用いた解説と当院での治療について
東洋医学では、ストレスや疲労、体力、免疫力の低下により、体の抵抗力が不足して循環が悪くなることで症状が出ると考えられています。
麻痺を起こしている筋肉の周辺を、鍼で使役することで、血液の流れを良くしていきます。
血液の流れが良くなると、必要な場所に、栄養が十分に届くようになります。
鍼灸治療は、問題が起こっている部分だけを治療するのではなく、原因を作った全身に対しても治療を行います。
顔面神経麻痺は、後遺症を予防するためのリハビリテーションも大切です。
ただ、強くこすったりすると、神経が間違ったカイロでつながってしまうこともあり、症状が悪化することもあるので注意が必要です。
運動訓練やマッサージについても、表情筋を大きく動かすと症状が悪化することがあるので、医師の指導に従って正しい方法で行うことが大切です。